現代美術・古美術の世界で6年、古書の世界で5年働き、本年独立をしました。
美術古美術から古書の業界へ入った時に、一番感心したことが、「贋作をみない」ということです。
まず、単価が違うということがあるので、贋作を作るという労力に合わない作業が向かないということがあるのだと思いますが、ずいぶんとクリーンなものだなあ、と思ったものです。
(しかし、本には、紙ものには、「復刻、複製」という脅威があるのですが、、、)
本日ご紹介いたします書籍は、昭和34年、名古屋丸栄百貨店で開催された「火と土の芸術展 名古屋周辺の古陶」展覧会目録です。
こちらは、有名な「永仁の壺事件」(国の重要文化財に指定されたが、贋作の疑いをもたれその後指定を解除された、美術業界や、行政を巻き込んだ贋作事件)で問題となった永仁の壺の展示がなされた展覧会の図録です。
写真、説明文は展示貸し出しの関係で掲載はかなわなかったようですが、出品目録にはしっかりと「永仁銘壺」の記載があります。
贋作、と聞くと、仕上げた者の力量や、つくられた背景を想像し、不謹慎ながらロマンを感じワクワクしてしまいます。
しかし自分の商売で火の粉が降りかかると悔しくて悔しくてたまらない。それが贋作なのです。
名古屋大須のキヨ書店では、古書、古美術(掛軸・油絵・日本画・版画などの絵画、陶磁器・焼物・茶道具、彫刻作品、古道具、海外の作品)骨董品の査定、買取をいたします。
ご所蔵のお品物を専門業者市場等への代理出品をすることも可能でございますので、合わせてご相談くださいませ。